大判例

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東京高等裁判所 昭和41年(ネ)1234号 判決

職権をもつて考えると、被控訴人の本訴請求原因は、本件土地の所有権に基き、その地上にある控訴人所有の本件家屋を収去して本件土地の明渡を求める、本件土地の明渡請求権であることは明白である。

一方、成立に争いのない甲第二号証の一ないし三によれば、被控訴人は前橋地方裁判所高崎支部昭和三〇年(ワ)第三〇号をもつて控訴人に対し本件土地の所有権に基いてその明渡を訴求し(ただし、この訴訟においては、本件土地のほか、他の土地に対する明渡請求などが併合されていたが、ここでは無関係であるから、それには触れない。)、その二審の東京高等裁判所昭和三三年(ネ)第二八二八号不動産登記抹消請求控訴事件において控訴人は被控訴人に対し本件土地を引き渡せとの判決の言渡があり、控訴人から上告が申立てられたが、最高裁判所昭和三五年(オ)第一九八号不動産登記抹消請求事件において、昭和三八年一〇月一五日上告棄却の判決があり、右判決が確定したことが認められる。

そうすると、本訴の訴訟物は前訴の確定判決のそれと同一である。もつとも、前訴においては、被控訴人は本件家屋が控訴人の所有であることを争いむしろ被控訴人自らの所有であると主張していたためその収去を訴求しなかつたのに対し、本訴においては前記のとおりその収去を求めているのであるが、このように本訴において家屋の収去を求める部分が附加されたのは、控訴人が本件家屋を所有することによつて本件土地を占有しているため、強制執行法上の関係から、単純に本件土地の引渡を命じている前訴の確定判決によつてはその明渡の満足が得られず、本件家屋の収去を命ずる別個の債務名義が要求されるからにほかならないと解することができるのであつて、両訴の訴訟物が、いずれも本件土地の明渡請求権であることにはなんらかわりがない。

したがつて、本訴においては、その訴訟物である本件土地明渡請求権の存否について、前訴の確定判決の既判力により、これに抵触する判断をすることは許されず、控訴人も本訴において、右確定判決の口頭弁論終結時以前の前記事実をもつて右明渡請求権の不存在を主張することは許されないといわねばならない。

以上のとおりで、被控訴人の本訴請求については、本件土地の明渡請求権が存在するものと認定すべきであり、被控訴人が前訴の確定判決にかかわらずさらに本訴により原判決主文と同旨の判決を求める利益のあることは前述のとおりであるから、被控訴人の本訴請求は認容すべきものであり、これと同旨の原判決は結局正当である。

(鈴木敏 鈴木信 友納)

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